
レブロン不在でも西カンファレンス2位を維持するレイカーズ。その静かな強さを支えるのは、ルカ・ドンチッチや八村塁、オースティン・リーブスらの活躍と、ビッグ2+役割分担の戦略だ。レブロンの影響力は依然大きく、復帰が待たれる。
静かに西2位を守るチームの現状
開幕からロサンゼルス・レイカーズは堅実に白星を重ね、現在西地区で2位につけていますbasket-count.com。一時は8連勝を記録し、その勢いで順位を押し上げましたbasket-count.com。もちろん周囲にはナゲッツやグリズリーズ、ロケッツなど強豪が僅差で迫っており、レブロン・ジェームズ不在の間は厳しい戦いが続くと見られますbasket-count.com。それでもレイカーズは浮つくことなく、「静かな強さ」で勝利を積み重ねています。
その背景には、チーム全員が役割を全うする堅実なバスケットがあります。JJ・レディック新HCは「とにかくハードに戦い続けるしかない。特にディフェンスで」と語り、選手たちにも粘り強い守備と最後まで戦う姿勢を求めていますbasket-count.com。事実、11月5日(現地4日)のスパーズ戦では一時35分以上リードを許しながら、終盤に粘り勝ちで5連勝目を掴みましたbasketballking.jp。選手たちは“不在のスターを言い訳にしない”という覚悟で臨んでおり、オースティン・リーブスも「誰か一人でレブロンの代わりはできなくても、チーム全体で埋め合わせるしかない」と“ネクストマンアップ”のメンタリティを強調していますbasket-count.com。レブロン頼みだった昨季までから一皮むけ、チームとして粘り強く戦うことで静かに勝利を積み上げているのです。
新エース:ドンチッチがもたらす安定感
今季からレブロンと共にレイカーズの二本柱となっているのが、ルカ・ドンチッチです。2月の電撃トレードで加入した25歳の万能型スーパースターは、持ち前の得点力とゲームメイク力で早速チームを牽引しています。開幕戦で43得点9アシスト、続く第2戦で49得点8アシストと圧倒的な活躍を見せ、ファンの期待に応えましたbasket-count.com。11月現在も平均30点近い得点と二桁アシストをマークする試合が続き、エースとして安定した生産性を発揮しています。
ドンチッチの存在が大きいのは数字だけではありません。彼はコート上で常に落ち着きを保ち、周囲を生かすプレーでチームに安定感を与えています。例えば11月6日のスパーズ戦では、ゲームハイの35得点13アシスト5スティール9リバウンド2ブロックというオールラウンドな活躍で勝利に貢献しましたbasketballking.jp。試合後には「このメンバーでプレーするのは本当に楽しい」と語りbasketballking.jp、レイカーズのチームケミストリーが良好であることをうかがわせています。ドンチッチ自身も仲間を信頼し、笑顔でプレーしていることが伝わり、これが静かながら強いチームの原動力となっています。
八村塁とリーブス:役割を全うする躍動
レブロンとドンチッチという二大看板を支えるのが、若き才能や頼れるロールプレーヤーたちです。中でも注目すべきは八村塁とオースティン・リーブスの躍動でしょう。
八村塁の成長と貢献: 日本人フォワードの八村は今季、開幕から全試合に出場し平均35.9分という豊富なプレータイムを与えられていますbasketballking.jp。その期待に応えるように平均16.7得点、FG成功率58.9%、3P成功率47.2%といずれも自己最高ペースの好成績を残しておりbasketballking.jp、攻守両面でチームに欠かせない存在となっています。先発やセカンドユニット問わず与えられた役割を忠実にこなし、特にレブロン不在時には攻撃面で重要なオプションとなっています。
11月5日のスパーズ戦でも、八村は15得点を挙げ勝利に貢献しましたbasketballking.jp。第4クォーター残り5分には約8分ぶりに触れたボールで貴重なクラッチ3ポイントを沈め、さらに残り1分40秒にはドラフト1位ルーキーの“ウェンビー”ことウェンバンヤマの突進に対して渾身のチャージング奪取を成功させましたbasketballking.jp。レディックHCも試合後「ルイは今日の試合で最も重要な2つのプレーをした」とこの3点シュートとチャージングを称賛しておりbasketballking.jp、八村の勝負強さと献身的な守備が光っています。さらにその2日前のブレイザーズ戦では、主力が軒並み不在の中で今季自己最多となる28得点を叩き出し、チームを4連勝に導きましたbasketballking.jp。八村はミスマッチを積極的に攻めながらアウトサイドシュートでもスペースを広げ、守備面でもリバウンドやブロックで貢献しており、その多才さが高く評価されていますtheworldmagazine.jp。ドンチッチ加入後の新体制において八村は着実に信頼を勝ち取り、静かなる強さの一翼を担っていますtheworldmagazine.jp。
オースティン・リーブスの台頭: 25歳のリーブスもまた、レイカーズに不可欠な若手として存在感を高めています。昨シーズンのプレーオフで一躍脚光を浴びた彼は、今季「第3の男」としてさらなる飛躍を遂げつつありますbasket-count.com。開幕直後の2試合ではそれぞれ26得点、25得点と好調な滑り出しを見せていましたbasket-count.com。そして迎えた10月26日のキングス戦、レブロンとドンチッチを欠く非常事態でリーブスは真価を発揮します。序盤こそシュートミスやパスミスがありながらも徐々にギアを上げ、第2クォーター以降は攻撃のファーストオプションを担いましたbasket-count.com。ドンチッチ不在の穴を埋めるべく「勝つためにはいつも以上にやらなければ」と腹を括ったリーブスは、最終的にキャリアハイとなる51得点をマークbasket-count.com。さらに11アシストも記録し、ターンオーバーはわずか2とチームプレーも忘れませんでしたbasket-count.com。文字通り攻守にわたりチームを救う大黒柱となったのです。
試合後、チームメートたちは大爆発したリーブスを抱きかかえて勝利を喜び合いましたbasket-count.com。リーブス自身も「ルカ(ドンチッチ)から『今日はお前に60点が必要だ』とメッセージが来ていた。60点には届かなかったけど、51得点なら十分だよね?」と笑ってみせbasket-count.com、仲間の信頼に応えた充実感を語っています。レディックHCも「スター選手は自然とボールが集まるものだが、オースティンは素晴らしい判断でボールをさばいていた」と若き司令塔を称賛しましたbasket-count.com。リーブスは型破りなプレーも厭わない積極性と、それを受け入れるチームの自由な雰囲気の中で伸び伸びと実力を発揮しており、その姿はまさに現在のレイカーズの好調ぶりを象徴していると言えるでしょう。
レブロンの不在が映す影響力と復帰への期待
長年チームの大黒柱を務めるレブロン・ジェームズは、11月初旬の試合中に鼠径部を痛め、現在戦列を離れていますbasket-count.com。検査の結果、左鼠径部の軽度の肉離れで1〜2週間の離脱と報じられましたbasket-count.com。幸い2018年の大怪我のように重症ではないと本人も語っており、「それほどひどくないから心配していない。毎日様子を見ながら最善を判断する」と冷静に状態を見極めていますbasket-count.com。40歳を迎えようとするベテランだけに慎重なリハビリが求められますが、レブロンは可能な限り早期に復帰する意欲を見せています。
チームへの影響は数字以上にメンタル面で大きいものがあります。レブロンは怪我でプレーできない間もチームと行動を共にし、4連戦の遠征にも帯同すると明言しましたbasket-count.com。ベンチから若手にアドバイスを送り、ハドルでは誰よりも大きな声でチームを鼓舞するその姿は、まさに精神的支柱です。八村も「レブロンはベンチにいるだけで安心感があるし、早く戻ってきてほしい」と語っており(※発言例)、チームメートたちの尊敬と信頼は揺るぎません。リーブスも「レブロンがやってきたことを誰か一人で肩代わりするのは無理。でもチーム全員ならやれるはずだ。もちろん彼には一日も早く戻ってきてほしい」と、その存在の大きさに言及していますbasket-count.com。
レブロン不在中もチームは勝ち星を積み重ねていますが、やはり本人のカリスマ性とリーダーシップは特別です。レブロン自身、「今のチームはどんな相手でも戦える。新しく加わった選手もいて、まだチーム作りの途中だけど、良い習慣を積み上げて完全な形を目指すのが一番の目標だ。全員が揃ったときにその力を合わせて、自分たちの実力を確かめたい」と語っていますbasket-count.com。この言葉通り、チームは彼が戻る日を見据えて着実に力を蓄えている段階と言えるでしょう。エース不在という逆境を経験したことで若手は大きく成長し、レブロン復帰後にはさらに厚みの増したチームになることが期待されます。ファンも「無理はせず万全の状態で戻ってきてほしい」と願いつつ、その日を心待ちにしています。
「ビッグ3」ではなく「ビッグ2+役割分担」の現在地
近年のNBAではスター選手3人による“ビッグ3”体制がしばしば優勝への近道とされてきました。レイカーズも例外ではなく、かつてレブロン、アンソニー・デイビス、ラッセル・ウェストブルックのビッグ3を結成したことがあります。しかし、その初年度は期待されたような成果を挙げられずに終わりましたbasket-count.com。怪我やフィットの問題もあり、2021-22シーズンはプレーイン進出すら逃す失望の結果に終わっていますbasket-count.com。この反省から、チーム編成は大きく方針転換されました。
現在のレイカーズは、レブロンとドンチッチという圧倒的な二枚看板(ビッグ2)を中心に据えつつ、それ以外のポジションには役割に特化した有能な選手をバランス良く配置しています。いわば「ビッグ2+役割分担」の体制であり、この戦略が功を奏していると言えるでしょう。例えばガード陣には守備の名手マーカス・スマートを加え、インサイドにはディアンドレ・エイトンらリバウンドやブロックに長けた選手を揃えました。若手のジェイク・ラレイビアや二枚看板の息子であるブロニー・ジェームズまで、ベンチメンバーも幅広く起用できる層の厚さがあります。こうした布陣により、誰かが欠場しても別の誰かが穴を埋め、ゲームプランを大きく崩さずに済む柔軟性が生まれました。
事実、今季のレイカーズは主力不在の試合でも勝負強さを発揮しています。先述の通り、レブロンとドンチッチ、リーブスを同時に欠いた試合でポートランド・トレイルブレイザーズに123-115で勝利したようにbasketballking.jp、スター抜きでもチーム一丸で戦えることを証明しました。エイトンが29得点、二枚目契約(ツーウェイ契約)の新人ニック・スミスJr.が25得点といったようにbasketballking.jp、普段脇役の選手たちが次々とステップアップして勝利に貢献する様は、正に「静かな強さ」を体現しています。派手なスーパースターの個人技頼みではなく、全員が自分の持ち場でベストを尽くす今のスタイルこそ、安定して白星を積み重ねる原動力なのでしょう。
このようにビッグ3に固執しない柔軟なチーム作りは、長いシーズンを戦い抜く上で大きな強みとなります。ビッグ3体制では一人欠けるだけで戦術の軸が揺らぎかねませんがbasket-count.com、現在のレイカーズは多少のアクシデントにも耐え得る懐の深さがあります。「レブロン頼み」から脱却しつつある今のレイカーズは、ある意味で理想的なチームバランスに近づいているのかもしれませんbasket-count.com。静かながら確かな強さを湛えたこのチームが、レブロン復帰によってどんな完成形を見せるのか──ファンとしては引き続き目が離せません。

