
ヒューストン・ロケッツが124-109でメンフィス・グリズリーズを下した。アメン・トンプソンの速攻力とプレイメイク、アルペレン・シェングンの守備センスが光り、ケビン・デュラントも存在感を発揮。若手とベテランの融合で快勝した試合を振り返る。
試合スコア:ロケッツ 124 - グリズリーズ 109
序盤からロケッツが主導権を握りました。第1クォーターで34-22とリードを奪うと、その勢いのまま前半を60-51で折り返します。第3クォーター中盤には24-9のランで最大21点のリードを築き、試合を通じて優位を保ちました。最後は124-109と余裕を持って逃げ切り、これでロケッツは5連勝となりました。
アメン・トンプソンの速攻力とプレイメイク
この試合で最も躍動したのは、若きポイントガードのアメン・トンプソンです。持ち前の圧倒的なスピードを活かした速攻で次々と得点を重ね、オープンコートでは相手ディフェンスを切り裂きました。豪快なファストブレイクからのダンクで会場を沸かせる場面もあり、攻撃のたびにグリズリーズ守備陣を慌てさせました。
トンプソンは速攻だけでなくプレイメイカーとしても冴え渡りました。巧みなボールハンドリングと視野の広さで味方を生かし、要所で鮮やかなアシストを連発。最終的に28得点10リバウンド7アシスト2スティールとオールラウンドな活躍を見せ、攻守両面でチームを牽引しています。
アルペレン・シェングンのバランス感覚と守備の読み
インサイドではセンターのアルペレン・シェングンが存在感を示しました。シェングンは得点・リバウンド・アシストのバランスが取れたプレーで、攻撃ではポストでの巧みなフットワークやソフトなタッチから20得点をマーク。加えて16リバウンドを握り、相手にセカンドチャンスを与えませんでした。周囲との連携も光り、7アシストを記録して攻撃の起点にもなっています。
守備面でもシェングンの読みの良さが光ります。相手オフェンスの動きを的確に予測し、絶妙なヘルプディフェンスやブロックでゴール下を死守。特にジャ・モラントのドライブをブロックしたシーンでは、持ち前のバスケットIQと反応速度でファンを唸らせました。攻守に安定感をもたらすシェングンの活躍が、ロケッツ快勝の土台となりました。
ケビン・デュラント(KD)の得点と存在感
**ケビン・デュラント(KD)**はこの試合、シュートタッチに苦しみフィールドゴールは伸び悩みましたが、それでも随所でスターらしい存在感を放ちました。第3クォーターには貴重な3ポイントシュートを沈め、続いて豪快なダンクを叩き込む場面もあり、流れを渡さない重要な働きを見せます。最終的な得点は11点にとどまったものの、デュラントに常にディフェンスの注意が向くことで他の選手が楽になる場面も多く、数字以上にチームにもたらした影響は大きいと言えます。
また、デュラントは経験豊富なベテランとしてコート上でチームを落ち着かせる役割も果たしました。若手中心のロケッツにおいて、彼の存在自体が精神的支柱となっており、得点以外の面でも勝利に貢献しています。
グリズリーズの苦戦要因と明るい材料
メンフィスのグリズリーズはこれで4連敗。新HCイサロ体制の下で模索が続いており、この試合も序盤から相手の勢いに押されてしまいました。苦戦の要因とわずかな明るい材料を挙げると:
・シュート成功率の低迷(この試合通算で約38%、第1Qは25%前後)で序盤に出遅れた
・インサイドで主力不在も響き、リバウンド争いで劣勢(総リバウンド54対47)となりセカンドチャンスポイントを許した
・ターンオーバーの多発(前半だけで10本、計15本)により自ら流れを断ち切ってしまった
・明るい材料:新人ガードのカム・スペンサーがチーム最多の19得点(3ポイント5本)を記録し、苦しい中で存在感を示した
エースのジャ・モラントは17得点8アシストと奮闘しましたが、ロケッツ守備の前に6/19とシュートに苦しみ、チーム全体でも要所で決めきれない場面が目立ちました。課題の多い敗戦とはいえ、若手の台頭はグリズリーズにとって唯一の収穫です。シーズンはまだ序盤のため、チームの立て直しと巻き返しに期待がかかります。
ロケッツの若手・ベテラン融合と今後への期待
ロケッツは開幕2連敗スタートから一転、ここに来て5連勝と波に乗っています。ドラフト上位指名で獲得した若手たち(トンプソン、シェングン、ジャバリ・スミスJr.、タリ・イーソンら)が躍動し、デュラントやクリント・カペラ、ジョシュ・オコギーといった経験豊富なベテラン勢が要所を引き締めることで、チームは攻守にバランスの取れた好循環を生み出しています。終盤の勝負所でも若手が落ち着いてプレーできているのは、ベテランの支えがあってこそでしょう。
若さゆえの勢いと、経験に裏打ちされた安定感。その両輪が噛み合った現在のロケッツは、相手にとって隙の少ない厄介なチームになりつつあります。まだシーズン序盤とはいえ、西の台風の目となり得るポテンシャルを十分に示しており、このまま若手とベテランの融合が進めば今後さらに上位進出も期待できそうです。攻守両面で充実したロケッツが、この勢いを維持しシーズンを駆け上がっていくのか注目が集まります。

